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コラム
淺松
長い訴状
2012.10.12 - 淺松

自分自身が離婚をした経験のある裁判官はどれくらいいるのだろう。

婚姻期間が長い人の場合,離婚訴訟提起以前にも何度か離婚を考えたことがある,ということが少なくない。

ただ訴訟を担当する裁判官はたいてい「でも結局その時離婚しなかったんだから,それは解決済みの話でしょ。今回の離婚原因に絞ってくださいよ」という反応でスルーしてしまう。

そのたび私は「そうじゃないんだけど」と心の中で思う。

離婚に踏み切るにはものすごいエネルギーがいる。

しかし配偶者との関係が悪化し,心身共にぼろぼろになっている状態では,離婚したいと思ってもそれを実行に移すだけの体力が残っていない。

子どものことはどうする?

家はどうなる?住宅ローンは?

無職なのに,離婚したらどうやって生活していくの?

いざ離婚となると,解決しなければならない問題が山のようにある。

だからいろんなことを我慢し折り合いをつけ,やりすごすということですませてしまったに過ぎないのだ。

そこのところをちゃんとわかってもらいたいと思い,結果,長い訴状を書いてしまう。

もちろん,裁判所の受けはあまりよろしくない。

おそらく,ほとんどの部分は読み飛ばされていることだろう。

でも少なくとも代理人だけは,そのことを理解しておくべきではないかと思うのだ。