少し前に「人間失格」を再読いたしました。
男女のいろいろが多少わかるようになってから読むとなかなかに
味わい深いものがあります。
「心にもないことを平気で口にできる男」がもてるのだなぁ,などと妙に納得してみたり。
離婚したい理由によくあげられるもののひとつとして,
「自分や子どもへの愛情が感じられない」というのがあります。
相手のどういう行動からそう感じたのかを聞いてみると,
ここぞという場面での「言葉不足」がほとんどです。
どうでもいいやと思っていても「あなたのことを心から案じているよ」と真顔で言える人もいれば,
深い愛情があってもまったくそれを表現できない(もしくは表現が下手)人もいる。
「相手が自分の期待通りの行動をとらないからといって,相手の内心まで推し量ってはいけない」
「表現する努力を怠ったままで,自分の気持ちはわかっているはずだ,と相手に期待してはいけない」
双方に言えることながら,いったんこじれるとなかなか冷静にはなれないもので,相談を受けるたびに,心を通じ合わせることの難しさ,をいつも考えてしまいます。